こんにちは。
早くも今回で3回目となりました。
前回の最後に具体例を挙げたまま、宿題の様な形で「つづく」となりました。
今回は、その具体例を基に、実際の対策や方法についてお話していこうと思います。
まずはその前に、前回までのおさらいです。
前回までの整理
前回では、「隣の(同条件の)部屋と比較した場合にどの様な売り方が良いのか?」をテーマにお話をしました。
それは、
・隣の(同条件の)部屋より高く売る」と言う基準はあてにならない。
・「先行逃げ切り」と「長期スパン」と言う見方を基準にすると良い。
と言うところまでのお話でした。
そして、「先行逃げ切り型」は、明確な計画や期限などがある場合、特に住宅の売却の際などに向く。
「長期スパン型」は、期限もなく時間的ゆとりがある場合に活用できる。
しかし、明確な目標や期限がない為、自分なりに基準や目標を設定しないと判断・決断を行いにくくなり、意外と難しいと言う事でした。
・その為にはどうすれば良いか?
・どの様な目標設定をすれば良いか?
この二つがテーマとして残り、「つづく」となりました。
売却時期の見極め
つまり、「売却時期の見極め」と言うテーマをどう解決するか?という課題が残っています。
「隣の(同条件の)部屋より高く売る」と言う事があてにならないのであれば、どうすれば良いか?
そして、ここで本テーマ1回目のコラム「マンションの売り方」で出て来た、「高く売るってなにより高く?」で、一度想像してみた事を思い出してください。
「隣の(同条件)部屋より高く」以外では、どんな事が浮かんだでしょうか?
そうですね、そこでは、
・買った時より高く
・ライバル物件より高く
・自分の想定より高く
・資金計画より高く
この様な候補が上がりました。
「ライバル物件より高く」が、まさに「隣の(同条件)の部屋より高く」と言う事ですが、それ以外の項目について、それぞれご自身に参考になるのではないでしょうか?
もちろん、これら以外の項目でも問題ないので、基準の想定の仕方の参考にしてください。
投資用物件(長期スパン)の売り方
基準設定のヒントが出たところで、いよいよ具体例を基に見ていきましょう。
具体例のおさらいです。
1・約10年ほど前に投資用の利回り物件を購入しました。
2・利回り約10%の価格で購入しました。
3・現在は、約5%位の利回りの価格で売却出来そうな相場です。
4・築年数が古いのでずっと保有するつもりもなく、売却のタイミングを見極めています。
5・不動産投資をやめるつもりはなく、売却後、新たな物件を購入するつもりです。
こんな感じでしたね。
いまや、利回り10%なんて東京圏で本当にあるの?と言う感じですが、数年前まで普通にありました。7~9%って結構ありました。
この頃の相場を知る者としては、いまの相場の5%ってなかなか手を出せないですよね。決断できないですよね。仲介業者としても、以前に利回り10%位で買って頂いたお客様に5%の物件の提案しにくいです。
多分に共感して頂ける方、いっぱいいらっしゃる事と思います。
売るだけじゃない問題
さて、具体例に戻ります。
まずは、具体例の状況を整理してみましょう。
太字がポイントです。
1・10年前に利回り10%の物件を購入した。→家賃収入で原価回収出来ている。
2・現在は、利回り5%で売却出来そうな相場。→購入時の倍額で売却出来そう。
3・築年数が古くなり、売却を考えている。→資産売却・現金化。
4・新たな物件の購入。→利回り物件の購入、買い替え。
「なんて理想的なんだ! いま売れば丸儲けじゃないか!」
って言う感じですよね。
「何を悩む必要があるのか?」
とも思います。
そう、1・2・3まで問題無し。つまり、売却のみであれば課題解決。
しかし、同じタイミングで買うのは、果たしてどうか?
利回り10%だった物件を売って5%の物件を買うメリットは?
他にも、売却した際の税金は?
税制面でも、有利な売却ポイント、時期ってあるのか?
などなど、様々な疑問が急浮上しました。
最後にポイントをまとめます。
売却基準(目標)設定ポイント
つまり、上記の1と2を充たした条件で売却出来る状況が理想と言う事です。
逆に言えば、それを目指して購入時の目標設定が出来ていればOKと言う見方が出来ます。
1・購入した物件は、何年の保有(家賃収入)で原価回収できるのか?
2・購入後10年で何割程、原価回収出来ているのか?
3・購入後10年で、いくら位(自分なりの見通しで)で売却出来そうか?
4・物件の買い換えを想定するのか? ずっと保有し続けるつもりか?
5・税制面では? 優遇措置や特例の利用は? その対象となる物件か?
おおまかにこの様な感じでしょうか。
これら上記5点について、自分なりに納得のいく見通し・計画が立てられる状況が設定出来るとベストです。
利回り10%の物件を売却して利回り5%の物件を購入してもメリットが享受出来る設定、この様な考え方をベースにしながらオリジナルの計画が出来ればしめたものです。
補足をしますと、
・1は最低限の確認事項です。
・10年はあくまでも目安です。自分なりの設定基準があれば問題ないです。
ただし、長期すぎず短期すぎずに設定する事をお勧めします。
・将来の想定売却価格には、希望的観測は入れないようにしましょう。
購入時価格を下回る事も想定しておく。
何割程のマイナスまでなら許容範囲なのか決めておく。
まとめ
少し、長くなりはじめたので、そろそろこの辺で一旦纏めます。
売却する際には、
・売却出来る価格だけでなく、その結果得られるメリット・デメリットを想定しておく。
・売却するメリットが得られる価格や諸条件・買い替え物件の計画を立てておく。
・売却する時期と購入する時期のタイミングは同時期か? ずらすのか?
・価格相場が上昇しそうなエリアと下落しそうなエリアを想定・予測しておく。
・買い替え物件のエリアや種別を考慮しながらタイミング、次期を判断決定する。
・税制面を考慮して注意を払っておく
また、
・買い替え物件の購入時期をずらした場合、その現金化資金の保管方法は?
・税制面とは? 不動産譲渡税などについては?
など他にも様々な考慮すべき点が出てきますが、今回はあくまで「売り方」についてがテーマですので、また別の機会に詳しく書きたいと思います。
個別にご相談をご希望の場合、お問い合わせについては、是非、不動産コンサルティングやセカンドオピニオンをご利用ください。
そして、ここまでで「どの様な売り方が良いのか?」と言うテーマについてお話してきました。
次回からは、「全てが同条件とは限らない場合も多いが、その様な時の見方、対策は?」について見ていこうと思います。
また、次回をお楽しみに。
それでは、「マンションの売り方3」はここまでです。