こんにちは。
前回では「隣の(同条件の)部屋よりも高く売る」と言う話があてにならないと書きました。
では、
・どの様な売り方が良いのか?
・全てが同条件とは限らない場合も多いが、その様な時の見方、対策は?
今回は、その内の「どの様な売り方が良いのか?」について見ていきたいと思います。
「先行逃げ切り」と「長期スパン」
上記タイトルがほぼ答えなので、先に結論を言います。
住宅として住み替え・買い替えを計画中の場合は、「先行逃げ切り」
投資用物件としての売却は、「長期スパン」
下記、補足・解説します。
住宅としての「先行逃げ切り」型
まずは、住宅としてみた場合、買い手となる相手方には期限と予算があります。
この相手の期限と予算の枠内での最大限の条件を引き出したいところです。
この、枠内と言うのがポイントです。
この枠内を超えると相手は土俵に乗ってこないか、もしくは他の物件へ逃げてしまいます。
買い手と市場の把握
では、この枠内をどうやって知るのか?
まず、隣の部屋を含め同条件で売りに出ている同じマンション内の部屋などの売り出し価格を把握し平均価格や価格帯を知る事で、大まかに自分の物件の実力を想定します。
*同じマンション内での売り出しが無ければ、同様の築年数やグレードのマンションなどと比較します。
そして、最高域の価格もしくは超えても10%程度の割増価格で売り出します。
それで、そこそこの問い合わせや内見があれば枠内と言う事です。交渉などが入れば理想と言ったところです。
*問い合わせなどが無い状態であれば、内見・交渉が入るレベルまで、売り出し価格の値下げや諸条件の見直しが必要と言う事です。
最高域の価格帯で売りに出して、問い合わせや内見・交渉・相談をして来る訳ですから、購入意欲が高い相手方と言う事です。
この買い手となりうる相手方と交渉によって自分の希望に近い形の合意に結び付けるのがベストと言う事になります。
計画優先:当初の目的を見失わないこと
万が一、この相手方を取りこぼしてしまったらどうなるか?
次に同様の方が来るのか? 少し条件が落ちるのか? それ以上の方が来るのか?
同等かそれ以上の方であれば、取り逃した相手方と同じタイミングが交渉中のタイミングあたりで来てそうなので、やはり少し条件が落ちる買い手となる可能性が高そうですよね。
そして、その取りこぼした顧客に売却した別の部屋の取引価格や条件が基準になるでしょう。
端的に一言で言えば、一番真っ先に手を挙げた顧客が一番顧客だと言う事です。
あくまで原則と捉えて頂いて構いませんが、もし、例外が出たとしても、一番手で決めておけば後悔のないレベルだと思います。
予め自分の希望に幅を持たせておいた中での決定であれば、もう一つの期限・時期・タイミングと言う目標を見落とさない様にしましょう。
これが、先行逃げ切りがベスト策と思われる理由です。
投資目線としての長期スパン
今度は、投資用物件としての見方です。
この見方は、「売却期限が無いもしくは期限に柔軟性がある」と言う前提に立ちます。
ですので、住宅としての売却でも期日の猶予がある方にも、この考え方を当てはめる事が可能です。
この長期スパンの見方と言うのは、上記の住宅の場合の様に、「買い替えの為に売却して資金化するのに期限がある」「転勤や引っ越しが決まり、遠方になるのでいつまでに売却したい」など、価格と同様に期日と言う優先事項があり、場合によっては期限が第一優先と言う様な方と対照的に、一切そう言った条件が無い方に使える戦略です。
「待つ」と言う戦略
つまり、
・納得いく価格で売却出来なければ、今でなくとも良い。
・希望の価格や諸条件で売れるまで待つ。
と言う戦略を取れると言う事です。
では、
・今後、その希望価格で売れる見込みはあるのか?
・いつまで待てば良いのか?
答え
・わかりません。
無責任で言っているのではありませんので、誤解のないようお願い致します。
自分基準の設計、見直し
ここで、住宅の売却の際の「期限がある」と言うデメリットがメリットであるようで、そうでもないと言う一面が現れます。
それは、自分で、タイミングを見計らって決断しなければならないと言うことです。
半強制的に期限がある事で、現状の中で判断・決断しなければならなかったものが、いざ、「ご自由に」と言われ戸惑ってしまう。そんな感じでしょうか。
ここでも、「自分基準を持つ」大事さが出てきます。
・予め、目標設定をしておく。
・いざ、交渉になり判断・決断をする場面になった時の為に幅を持っておく。
・価格なのか? 契約諸条件なのか? 優先すべき事項を決めておく。
でも、この自分基準の設定は難しくないですよね?
それは、売却しようと考えた動機を思い出せば良いからです。
その動機を優先事項として目標設定しましょう。
売却時期の見極めと再設計
後は、それが達成される見込みがあるのかないのか?
・ある場合は、売却時期の見極め。
・ない場合は、見直しが必要。
と言う事になります。
いや、それが一番難しいんじゃないか!
と言う声が聞こえて来そうですね(笑)
しかし、この時期の見極めや価格や相場が上がるか下がるかと言うのは、不動産の売却希望者のみならず、全ての不動産関係者にとっての命題・課題なのです。
現在(2023年時点)は、住宅としても投資用物件においても過去数年と比較しても上昇していますので、明らかに売り手相場とも言えます。
しかし、
・全体で上昇していても必ずしも各物件全てが上昇しているとも限りません。
・下げているエリアもあれば、今後その様な可能性のあるエリアもあるかもしれません。
・東京はまだまだ上昇する可能性があり、いまの内で買っておいた方が良いかもしれません。
この様に物件ごとに様々な見方があり、エリアごとに特性も違うので、一概に言えない事、ご了承ください。
具体的にどうするか?
そして、
・価格上昇相場だとしても、いずれ買い手の数は少なく減少傾向になるのでは?
・買い手は、希望条件や価格に相場が下がるまで待つのでは?
と言う見方も出来るのです。
この見方に対し、どう対処・対策すれば良いのか?
最後に一つ、身近な具体的な例を挙げます。
・約10年ほど前に投資用の利回り物件を購入しました。
・利回り約10%の価格で購入しました。
・現在は、約5%位の利回りの価格で売却出来そうな相場です。
・築年数が古いのでずっと保有するつもりもなく、売却のタイミングを見極めています。
・不動産投資をやめるつもりはなく、売却後、新たな物件を購入するつもりです。
あなたなら、どんな戦略を描きますか?
少し長くなりましたので、この続きはまた、次回へ。
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