「空き家」と聞いてどんなイメージでしょうか?
どんな事が瞬間的に頭に思い浮かんだでしょうか?
他人事ではないと思ったあなた。
具体的な場面が頭によみがえってきたあなた。
悩み、厄介事と思ってしまったあなた。
今回は、そんなあなた達に向けて書いてみたいと思います。
7戸に1戸が空き家
さて、空き家ってどの位あると思いますか?
肌感覚で、「最近増えたよね」「多いよね」「ウチの近所は見かけないなぁ」と反応は人それぞれかと思います。要は地域格差があると言う事ですが、、、
全国的には、2018年時点で849万戸です。
総戸数6,240万戸に対して849万戸、住宅全体に対して13.6%。
7戸に1戸は空き家の計算です。
メチャメチャ多いですよね。
それとも桁が違い過ぎてピンとこないでしょうか?
これって2018年、いまから5年前の数字ですから、現在はもっと増えている事と思われます。
で、その前の統計もあって1993年時点では448万戸だったようで、この25年の間に1.9倍、約2倍近くに跳ね上がっています。
この間、何をやってたんだって思ってしまいますよね。
その頃から、少子高齢化・人口減少等々騒がれていたのに、、、
結局、この間に対策どころか新築マンションをはじめとする新築着工販売の供給戸数は、伸び続け、都心回帰や核家族化等々が加速化しました。
それでも、最近は「ヴィンテージマンション」「中古リノベ」「戸建て投資」「空家の有効活用」「地方移住」などなど興味深い流行や試みが多くみられる様になりましたが、効果の程はいかほどか、、、
当社でも、少なからずこの問題に貢献出来る様、今後は「空き家管理」「有効活用」「中古リノベ」など少しづつ事業として形にしていきたいなと考えています。もうすぐ事業化して告知出来る様にもなるかと思いますので、その際には何卒、よろしくお願い致します。
「その他の住宅」
そして話を戻しますが、空き家が849万戸と言いましたが、空き家の中にも区別があり、
・賃貸用住宅
・売却用住宅
・二次的住宅
・その他の住宅
とあり、この中で問題と言われているのが、「その他の住宅」です。
上の二つ、賃貸用住宅と売却用住宅は、読んで字のごとしでわかりやすいかと思います。
二次的住宅とは、別荘やたまに寝泊まりするといった用途で普段は人が住んでいない住宅。
そして、「その他の住宅」とは、使用用途が何も決まっていない住宅。
いわゆる本当の意味での「空き家」で、この「その他の住宅」がある調査では全体の空き家戸数(849万戸)の約4割を占めるのだそうです。
いかにして、ここまで空き家が増えてしまったのか?
全体としては主な要因として、前述した様に「人口減少」「核家族化」「都心部流入・地方の過疎化」などがありますが、個別で見ると、総務省がおこなったアンケートで面白い調査結果があったので、少し紹介したいと思います。
1・実家を相続した。
2・住み替えで以前の自宅を保有中
3・住んだ事のない親族の家を相続した。
4・社会福祉施設への入居
だそうです。
見事に「高齢化」「相続」が大きな要因になっているのがわかりますね。
「空き家の放置」
ただし、これだけでは空き家になりません。
相続なり、住み替えたりしたら、手早く売却するなり解体したりすれば問題ないはずです。
空き家が放置される理由
1・遠方に居住
2・経済的な理由
3・複雑な権利関係
4・更地にすると固定資産税が上がるから
上記理由は端的に一言で言い表していますが、
1・相続したものの、遠いので管理が疎かになっている。管理できない、したくない。
2・建物を解体するのにも費用がかかる。解体費用のお金がない。
3・共有名義で相続した。親族間で意見があわない。
4・固定資産税などの管理の負担が大きくなる。
と言うのが、本音・実態ではないでしょうか?
そして、上記は物理的な理由で、物理的な理由の人ばかりではないだろうし、この問題はクリア出来ていると言う人もいるでしょう。
では、これに対して心理的な要因は何か?
「近所の目」
◆いつかまた使う
•お盆や暮れに皆で集まる
•仏壇がある
•家財や荷物があり、 処分や片づけが大変
◆周り近所の目
•自分の代で処分したとなると何を言われるかわからない
•よそ者を入れる抵抗感、 近所からいやがられる
•近所の他人に自分の家を見られるのはいやだ
•他人に貸すことへの抵抗感
•一度賃貸に出すと返ってこなくなるのではないか
◆その他
・所有者が高齢で施設に入所している
・認知症で意思能力がない。
・面倒くさい
・今のままで困つていない
・不動産会社に相談しにくい
もっと身近に相談
本当の理由が見えてきた気がします。
近所の目。いかにも日本人らしい日本社会ならではと言う感じもしますし、共感も出来ます。が、それ以外の理由も見逃せないですね。
特に太字にしたところ、声を大にして言いたいです。「私たちにお任せください!」と。
そして、「近所の目が気になるならもっと早くご相談ください」と。
しかし、その「私たち」が信用されていないのかな、、、
もっともっと、相談されやすい雰囲気をつくって、解決策を予め提案出来る体制を整えないといけませんね。
ここまで見ても、「少子高齢化」「人口減少」「住宅の大量供給・供給過剰」等々大まかの要素はあるものの、直接的なミクロ要因はもっと身近なところにあったと言うわけですね。
これからの取り組み
これを、この状況を解消しようと近年、様々な取り組みや問題意識の啓蒙が行われています。
空き家に関する法令・規約等の成立などもあったりと国や地方自治でも取組体制が整備されてきています。
次回からは、その法令や規則、税制が整備・改正された内容や当事者(空き家所有・相続人)になった場合どうすればいいのかなどについて、書いていきたいと思います。
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