こんにちは。
今回は、「番外編」と言う事で、これまで3回にわたってお伝えした「マンションの買い方」の中で書ききれなかった事柄について述べていこうと思います。
「将来住み替える事になる事を前提として購入を検討する。」
ごく普通な事の様に聞こえて、意外と購入時にはそんな事考えてないよと言う方も多いのではないでしょうか?
中には、郊外でファミリータイプの新築マンションや建売住宅などを購入される方などは”終の棲家”のつもりで購入して住まわれる事でしょうし、「将来の予定や計画なら見通しての事だから問題ないよ」と言う方もいると思いますが、、、
(まぁ、全て人生予定通りで事が進むのなら問題はないのですが、、、)
特に都心部などで50~60㎡の1LDKや2LDKのお部屋を購入される方は注意が必要です。
いずれ、手狭に感じる時が来ます。不思議なもので、ほぼほぼ、購入時には広く感じたり丁度良い広さと思えたものが、、、いずれ欲が出て来ます。その時に選択肢の数を多くしておく事は大事ではないでしょうか。
また、人生は時に予期せぬ事が起こるものです。
予定していないライフイベントや身の回りの出来事。そして何より、大きな社会的な出来事や災害など。
私事で言えば、リーマンショックや東日本大震災。
都心で新築マンションを購入して住んで、売却するまでの7~8年の期間でこれだけ大きな何十年・何百年に一度の出来事が2回もやってきました。
私の場合、幸い、それらの事が大きな不幸等に繋がる事はありませんでしたが、売却・住み替えを考える大きなきっかけになった事は間違いありません。
さて、何故、将来住み替え・買い替えをする事になる前提で考えなければならないのか?
少し整理してみると、
・広さや間取が手狭に感じて来た
・予期せぬ、ライフイベントや災害や経済的な大きな社会的出来事が起きて影響を受けた。
・ライフスタイルや趣味嗜好等に変化が生じた
・社会的な変化(コロナ禍によるリモートワーク流行りなど)
など、今後も、個人的に社会的に、身内要因、外部要因などによって様々な変化が起きうる事として十分に考えられるのではないでしょうか。
ここで結論。
10年後もしくは10年以内に1度や2度は住み替えや買い替えの必要性などが発生しても対処出来るような、選択の幅がある様に考えておく事。
その他の注意点
では、どの様な出来事を想定して準備しておけば良いのか?
社会的な変化以外のライフイベント等は個人により想定し得る出来事は違ってくるかと思いますが、取り得る手段はほぼ同じ様な選択肢かと思われます。
その際の選択手段と考えられる事項について下記に述べたいと思います。
賃貸か売却・買い替えかの選択肢についての注意
賃貸の場合
住宅ローンが残ったままの状態で賃貸借契約で第三者に貸し出す事は出来ません。
時々、書籍や雑誌・ネット記事などで、「将来いくらで貸せるか吟味して購入物件を検討しましょう」などと言った様な記事を目にする事がありますが、住宅ローンを組んでマンションを購入する前提では賃貸借で部屋を貸すと言う行為は原則出来ないので注意が必要です。
仮に、貸し出している状況を住宅ローンを組んでいる銀行に見つかれば一括返済を求められる可能性大です。
住むために購入する対象のローンが「住宅ローン」なので考えてみれば当然の事ですね。
ですので、賃貸で貸し出すと言う選択肢を設けるには、住宅ローン完済と言う事が必要になります。
初めから将来賃貸で貸し出すと言う様な目標設定の方は、予め10年後や20年後など設定したゴールの時期に完済出来るストーリーを描いておくと良いかもしれませんね。
売却・買い替えの場合
10年後にいくらで売れるか予測しましょうと言う事ではありません。
10年後にいくら住宅ローンが残っているでしょうか?
その時に買い替えの為の自己資金はいくら貯まっているでしょうか?
その時の年収や資産状況はどの様になっているでしょうか?
また、10年後に限らず、賃貸の場合と同様、住宅ローン完済のストーリーを描いていておくと言う手段も有りではないでしょうか。。
自分でコントロール出来る事柄から予測していき選択肢を設けていく事が大事です。
リノベーションする際の注意点
特に、リノベーション費用を物件価格と一緒に住宅ローンに組み込んで借りる方は注意が必要です。
例えば、相場価格3,000万円のマンションを購入してリノベーションに1,000万円かけたとしても、売却出来るであろう価格はあくまでも相場の価格だからです。
特にリノベーション内容に思い入れのある方は、資産価値を求めがちなのですが、リノベーションによって相場以上の売却価格をもたらす事はプロでも難しいと言う前提で取り組んで頂くのが良いかと思います。
感覚的に言うと、マンションの価格は作品やアートとしてではなく住宅としての値段が付くと言う様な事です。
10年後に売却する際に残債が残らない為には、10年である程度残債が減っていて相場が購入時よりも上がっている事。
上記の例で言うと、残債が500万円減っていて相場が500万円上がっていればトントンになると言う事になりますね。
これは、感覚的に捉えて頂けるように極端な例として語っていますが、中々そう都合よくいかないだろうと言う事はご理解頂けるのではないでしょうか。
ベストなのは、物件価格とリノベーション費用を合わせて相場価格に抑える事ですが、その様な買い方はプロでも難しい事は以前のコラムでも書いた通りです。
物件価格を安くと言うよりは、出来るだけリノベーション費用を抑えるか現金(自己資金)を用意する事につきます。
立地について、防災等の観点で検討する。
海抜・高低差
ハザードマップなどは有名なところですが、それ以外にもいくつかあります。
例えば、標高(海抜)を知る事が出来るサイトにマピオンや国土地理院地図があります。
マピオンは該当地を右クリックで見れますし、(https://www.mapion.co.jp/)国土地理院地図(https://www.gsi.go.jp/tizu-kutyu.html)は地図の中心に該当地を当てると表示されます。防災においては、海抜や土地の高低差などは基本的な情報として調べておくと良いです。
地歴
また、他に私がお勧めなのは地歴。つまり土地の歴史です。
過去にどの様な建物や施設が立っていたのか?どの様な由緒があるのかなど購入前に調べておいて損はないと思います。
やはり、現在でも高級住宅地と呼ばれるような土地は、江戸時代には大名が居を構える高台の武家屋敷だったりと、それなりの理由があるからです。
最近は書店に行くと古地図や江戸時代の地図と現代の地図を重ねて観光散策出来るマップなども販売されてたりしますので、地歴を調べるのはそんなに困難ではないかと思います。
地名
そして、最後にもう一つ。それは地名です。
地名の由来をネット検索でも調べられると思いますが、その地名が名付けられた理由やその漢字が当てられた由来を知ると、とても面白いです。
例えば、「津」と言う漢字が付く地名は昔、港だったと本で読んだことがあります。
へぇ~と思ったものですが、「大津」や「会津」と言った内陸部の土地も港だったんですね。
恐らく琵琶湖や猪苗代湖に面して港の役割をしていたと言う事でしょう。他にも様々な由来が見つけられそうですね。
そんなところから災害に強い、弱い土地と言うのを窺い知るというのも面白いと思います。
さて、ここまでいろいろとお伝えしたかった「番外」についてお話してきましたが、私にとっては「番外」ではなく、結構、日々の営業でも極力お伝え、提案している事です。
これをお読み頂いているあなたにとっても、上手に活用して頂く事が出来ましたら非常に嬉しい限りです。
特に「地歴」や「地名」などは、今後また単独でコラムなどでテーマとして書きたいと思います。その時をお楽しみに!
それでは、今回も最後までお読み頂きありがとうございました。
おわり
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